この物語は、死の物語です。
と同時に
Playというタイトル通り、芝居についての物語でもあります。

つまり、物語を演じている俳優の話でもあるのです。


劇場も美術館(ギャラリー)も、死が行き交う場所だと思います。
お客様がいる時は生きていて、お客様が帰った後は死んでいる場所なのです。
実際にギャラリーを使わせて頂くということで、今回のお芝居は閉館後のギャラリーという設定にしました。

この物語には3人の「語る」登場人物の他に、原作では「審問官」という照明の役割を果たす4人目の登場人物がいます。

今回のコンセプトでは、4人目の登場人物はお客様です。

なので、申し訳ない事に客席はありません。
セリフの聞こえ方も、お客様が立っている場所によって、かなり聞こえ方が違います。
どうか是非、動き回って頂いて、場所によっての見え方、聞こえ方を感じて頂ければと思います。

田丸 一宏